2025年9月に公開され、興行収入24億円を記録した映画『ブラック・ショーマン』。2026年10月12日から、Netflixでの配信が始まりました。原作は東野圭吾、主演は福山雅治。「ガリレオ」シリーズの二人が組んだ、まったく別の探偵ものです。結末には触れずに、観る前のガイドをまとめます。

作品データ

劇場公開: 2025年9月12日 / 上映時間: 127分 / 配給: 東宝 / 興行収入: 24億円

監督: 田中亮 / 脚本: 橋本夏 / 音楽: 佐藤直紀 / テーマ曲: 福山雅治「幻界」

原作: 東野圭吾『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』(光文社)

予告編

動画: YouTube「東宝MOVIEチャンネル」公式チャンネル

配信で見る(2026年10月13日時点)

※2026年10月12日時点の情報です。定額で見られるのはNetflixで、U-NEXTやPrime Videoなどでは作品ごとのレンタルで配信されています。最新の料金・配信状況は各サービスの公式サイトでご確認ください。

あらすじ(結末には触れません)

結婚式を控えた娘に届いた知らせ

東京の不動産会社で働く建築士・神尾真世(有村架純)は、2か月後に結婚式を控えています。そこへ、故郷の警察から電話が入ります。元中学教師の父・英一が、自宅で何者かに殺されたというのです。

真世が帰った故郷は、観光名所があるわけでもない、どこにでもある小さな町。父は多くの教え子に慕われる先生でした。近く、真世の中学時代の同窓会が開かれる予定で、父もそこに招かれていました。

誰が、なぜ、あの父を。警察は真世に何も教えてくれません。

突然現れた叔父

途方に暮れる真世の前に、長く音信不通だった叔父・神尾武史(福山雅治)が現れます。父の弟で、かつてはアメリカで名を馳せたマジシャン。いまは東京でバーのマスターをしています。

武史は言います。警察には任せない、自分の手で真相を突き止める、と。

彼のやり方は、探偵のそれではありません。マジシャンとして身につけた手先の技術、相手の視線を誘導する話術、ささいな反応から嘘を見抜く観察眼。刑事から捜査情報をかすめ取り、はったりで相手に口を割らせます。頼もしいけれど、どこまで信用していいのか分からない。真世は振り回されながら、叔父と二人で事件を追うことになります。

容疑者は、かつての同級生たち

調べが進むにつれて、浮かび上がってくるのは真世の中学時代の同級生たちです。大ヒット漫画を生んだ漫画家の釘宮。その漫画を使って町おこしを進めたい地元の人々。それぞれが、恩師である英一に何かを相談していました。

懐かしい顔の一人ひとりを、疑わなければならない。そして父は、娘の知らない何かを抱えていました。

キャスト

  • 神尾武史 … 福山雅治。元マジシャンで、真世の叔父
  • 神尾真世 … 有村架純。建築士。父を殺された娘
  • 神尾英一 … 仲村トオル。真世の父で、元中学教師
  • 釘宮克樹 … 成田凌。真世の同級生で、人気漫画家
  • 池永桃子 … 生田絵梨花。真世の幼なじみ
  • 柏木広大 … 木村昴。同級生で、建設会社の副社長
  • 九重梨々香 … 岡崎紗絵。同級生で、広告代理店の社員
  • 中條健太 … 伊藤淳史。真世の婚約者
  • 木暮大介 … 生瀬勝久。県警本部の警部
  • 柿谷誠一 … 丸山智己。地元の刑事で、英一の教え子

見どころ

「ガリレオ」とは正反対の探偵

福山雅治と東野圭吾といえば、物理学者・湯川学が活躍する「ガリレオ」シリーズです。湯川は論理と実験で謎を解く人でした。

神尾武史は逆です。嘘をつき、人をだまし、必要なら法律の線も踏み越えます。正しい手順より、結果を取りにいく。同じ俳優と同じ原作者の組み合わせで、ここまで違う主人公になるのか、という面白さがあります。

マジックが推理の道具になる

武史の手品は、見せ場のためだけにあるのではありません。相手の注意をそらして物を抜き取る。選ばせたように見せて、こちらの望む答えを選ばせる。マジックの技術が、そのまま聞き込みと尋問の技術として使われます。「いま何をしたのか」を目で追う楽しさは、映像ならではです。

叔父と姪のバディもの

真世にとって武史は、ほとんど他人のような叔父です。金にうるさく、何を考えているか分からない。けれど兄を殺された怒りだけは本物らしい。信用できない相棒と組まされる真世の戸惑いが、物語のもうひとつの軸になっています。

監督は『コンフィデンスマンJP』シリーズの田中亮。だまし合いを軽やかに見せる手つきが、この作品にも生きています。

原作と続編

原作は2020年に刊行された長編で、すでに続編も出ています。

『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』東野圭吾 書影

書影: 楽天ブックス

『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』東野圭吾

映画の原作(光文社文庫)。映画では描ききれなかった同級生たちの事情が丁寧に書き込まれています。映画を観てから読むと、武史の「仕掛け」の細かさに気づけます。

『ブラック・ショーマンと覚醒する女たち』東野圭吾 書影

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『ブラック・ショーマンと覚醒する女たち』東野圭吾

シリーズ第2作。武史のバーを訪れる女性たちをめぐる連作短編集です。映画で武史を気に入った人の次の一冊に。

東野圭吾の映像化作品を、次に観る・読むなら

『探偵ガリレオ』 書影

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『探偵ガリレオ』

福山雅治が湯川学を演じるドラマ『ガリレオ』(2007年〜)の原作第1作。武史と湯川を見比べるならここから。

『容疑者Xの献身』 書影

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『容疑者Xの献身』

ガリレオシリーズの長編で、2006年の直木賞受賞作。2008年に福山雅治、堤真一の出演で映画化されました。東野作品の最高傑作に挙げる人も多い一冊です。

『マスカレード・ホテル』 書影

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『マスカレード・ホテル』

刑事がホテルマンに化けて潜入捜査をするシリーズの第1作。2019年に木村拓哉、長澤まさみの主演で映画化されました。

『新参者』 書影

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『新参者』

刑事・加賀恭一郎が日本橋の人々を訪ね歩く連作ミステリー。2010年に阿部寛の主演でドラマ化されました。

『ナミヤ雑貨店の奇蹟』 書影

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『ナミヤ雑貨店の奇蹟』

時を超えて悩み相談の手紙が届く雑貨店の物語。殺人の起きない東野作品で、2017年に映画化されました。

観る前に知っておきたいこと

  • 予習は不要です。 シリーズの1作目なので、原作も過去作も知らなくて大丈夫です
  • 残酷な描写は控えめです。 殺人事件を扱いますが、怖さより謎解きとかけ合いが中心です
  • ロケ地は岐阜県と愛知県。 郡上八幡の町並みや、中津川市の苗木城跡などで撮影されました