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2026年本屋大賞、ノミネート作品10選

2026年4月9日発表・第23回本屋大賞

2026年4月9日、第23回本屋大賞が発表されました。ノミネートされること自体、全国の書店員たちがそれだけ「売りたい」と太鼓判を押した証です。ここではノミネートされた10作を、それぞれのあらすじと著者の代表作とあわせて紹介します。

そもそも本屋大賞とは

本屋大賞は、「全国の書店員が選ぶ、いちばん売りたい本」を選出する文学賞です。作家や評論家が選考する直木賞・芥川賞と違い、全国の書店で働く書店員の投票だけで決まるのが最大の特徴。2004年に始まりました。

全国の書店員による投票を経てノミネート作品が選ばれ、そのノミネート作をすべて読んだ書店員による投票で大賞が決まります。2026年は一次投票に490書店698人、二次投票に345書店470人が参加しました。

『暁星』湊かなえ

著者29作目、「一番好き」と語る作品

文部科学大臣にして大作家の清水が、式典の舞台で刺殺される。逮捕された犯人は事件の全貌を手記に綴り、その場に居合わせた作家はこの事件を小説として書き起こす。ノンフィクションとフィクションが交錯するとき、深い絆の輪郭が浮かび上がる。宗教二世という重いテーマに向き合った作品です。

著者について

湊かなえは2006年「少女」でデビュー。2009年『告白』で本屋大賞を受賞し、「イヤミスの女王」として『Nのために』『夜行観覧車』など数々のヒット作を生み出してきました。『暁星』は著者29作目にして「一番好き」と語る作品です。

『ありか』瀬尾まいこ

著者の子育て経験が反映された一作

シングルマザーの美空と、小学校入学を控えた娘・ひかり。義弟の颯斗をはじめ、美空をとりまく人々との日々を丁寧に描く物語。著者自身の子育て経験が色濃く反映された、「これまでの人生を全部込めた」と語る作品です。

著者について

瀬尾まいこは2001年「卵の緒」でデビュー。『そして、バトンは渡された』で2019年本屋大賞を受賞、『幸福な食卓』『戸村飯店 青春100連発』など数々の受賞歴を持つ人気作家です。

『イン・ザ・メガチャーチ』朝井リョウ

50万部突破のベストセラー

特定の「界隈」が常に沸騰し続ける現代社会。アイドルグループの運営に携わる男性、日々の孤独を「推し」で埋めようとする大学生、そしてある事件をきっかけに熱狂の輪から弾き出された女性。仕掛ける側とのめり込む側、それぞれの視点から、現代人が「物語」に依存していく過程を描き出す長編です。

著者について

朝井リョウは2009年『桐島、部活やめるってよ』でデビュー、2013年『何者』で平成生まれ・男性最年少として直木賞を受賞しました。『正欲』など著書多数。本作は日本経済新聞夕刊での連載を単行本化したものです。

『失われた貌』櫻田智也

本格ミステリ作家の新刊

山中で発見された、顔を潰され歯を抜かれ手首を切断された身元不明の遺体。10年前に失踪した父親ではないかと小学生が名乗り出たことから、事件は思わぬ方向へ進んでいく。刑事・日野之彦と巡査部長・入江文乃が、過去と現在が交差する真相を丹念に解き明かしていく本格ミステリーです。

著者について

櫻田智也は2013年『サーチライトと誘蛾灯』でミステリーズ!新人賞を受賞しデビュー。同作を含む連作集の続編『蟬かえる』では日本推理作家協会賞と本格ミステリ大賞をダブル受賞しています。

『エピクロスの処方箋』夏川草介

『スピノザの診察室』続編、現役医師作家

大学病院で数々の難手術を成功させながら、地域病院で訪問診療に従事する内科医・雄町哲郎。ある日、彼を見込む大学准教授から持ち込まれたのは、かつて哲郎を激怒させた大学病院の権力者の父親という難しい症例だった。『スピノザの診察室』の続編にあたるシリーズ最新作です。

著者について

夏川草介は現役医師の作家。2009年『神様のカルテ』でデビューし、330万部を超えるベストセラーシリーズとなりました。地域医療の現場に立ちながら執筆を続けています。

『殺し屋の営業術』野宮有

第71回江戸川乱歩賞受賞作

営業成績第1位、契約のためなら手段を選ばない凄腕営業マン・鳥井は、アポイント先で刺殺体を発見し、自らも殺し屋に襲われる。絶体絶命の状況で持ち前の営業トークを繰り出した鳥井は、なんと殺し屋との「契約」を成立させてしまい、命がけの営業がはじまる。

著者について

野宮有は2019年『マッド・バレット・アンダーグラウンド』でデビュー。本作『殺し屋の営業術』で2025年、第71回江戸川乱歩賞を受賞しています。

『さよならジャバウォック』伊坂幸太郎

デビュー25周年記念書き下ろし

「夫は死んだ。死んでいる。私が殺したのだ」という独白から始まる長編ミステリー。結婚を境に冷たく暴力的になった夫を殺めてしまった量子は、混乱の中で大学時代の後輩・桂凍朗の来訪を受ける。物語は中盤からSF的な様相を帯び、現実か妄想か判然としない展開の末、すべての点が繋がっていく、デビュー25周年を記念した書き下ろし作です。

著者について

伊坂幸太郎は2000年『オーデュボンの祈り』でデビュー。『重力ピエロ』『アヒルと鴨のコインロッカー』『ゴールデンスランバー』(日本推理作家協会賞受賞)など著書多数。独特のユーモアと伏線回収で幅広い読者を持つ人気作家です。

『熟柿』佐藤正午

第20回中央公論文芸賞受賞作

眠る夫を乗せた車で老婆を撥ねてしまったかおりは、轢き逃げの罪に問われ服役中に息子・拓を出産する。出所後、息子に会いたい一心で事件を起こした彼女は接見を禁じられ、罪を隠しながら西へ西へと流れていく。タイトルの「熟柿」は、機が熟すのをじっと待つ意味です。

著者について

佐藤正午は1983年『永遠の1/2』でデビュー。2017年『月の満ち欠け』で直木賞を受賞し、2015年『鳩の撃退法』で山田風太郎賞も受賞しています。

『探偵小石は恋しない』森バジル

発売7日で重版、ベストセラー1位続出

名探偵に憧れる小石探偵事務所代表・小石だが、依頼の9割9分は不倫や浮気の調査。実は色恋がらみの調査だけは「病的に得意」という彼女のもとに、ある日、思いもよらない事件が舞い込んでくる。発売わずか7日で重版が決定した話題作です。

著者について

森バジルは2018年、電撃小説大賞をきっかけにデビュー。その後一般文芸に活動の幅を広げ、2023年『ノウイットオール あなただけが知っている』で松本清張賞を受賞しています。

『PRIZE―プライズ―』村山由佳

著者、初の本屋大賞ノミネート

ベストセラー作家で映像化多数、本屋大賞受賞歴もありながら、直木賞にだけは手が届かない作家・天羽ケイン。「なぜ自分は正当に評価されないのか」という怒りを燃やし、全身全霊で賞を狙いにいく。文学賞そのものを題材にした異色作です。

著者について

村山由佳は1993年『天使の卵』でデビュー、2003年『星々の舟』で直木賞を受賞。『ダブル・ファンタジー』『風よ あらしよ』など著書多数の実力派ですが、本屋大賞ノミネートは今回が初めてです。

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